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2013年3月25日 (月)

「春を盛るうつわ展」より、松田路子さんの器たち

グループ展の会期中、作家さんたちは、花器のしつらえなどにも気を配りつつ、お客さまの応対に追われます。

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▲アネモネを活け直している松田路子さん

今回、初めてお会いした松田さんでしたが、どんな風に器を制作されているのかお聞きすることができて、なるほどと思いました。

金工を学ぶため留学したドイツから帰国後、茨城県笠間の寺本陶房に入門した松田さんは、いちから陶芸を学び直します。釉薬のこと、土のこと、ろくろ技術。

そして月日が流れ、一人前の陶芸家になった今、彼女がどうしても惹かれてしまうのは、土で作る造形作品。

器を作るというより、土で作る造形的な作品に惹かれるのだそうです。

でも、陶芸家として生計をたてる以上、やきものを売って生活していかなければなりません。そこから導き出されたのが、作った器の形を一度壊して再びつなぎ合わせて形作るという方法でした。

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▲松田路子、アースカラーの長方皿

たとえば、上の器。左端に少し調子の異なる部分がありますが、作ったばかりの器に線をひき、そこを手で引きちぎってしまうそうです。

それを再び貼り合わせると、貼り合わせたときにできる微妙なずれや土の盛り上がりが、器に景色を産み出します。今回、出品した器たちはみな、そんな風に作られているのだそうです。

釉薬を作って調子を変えたり、絵付けをしたり、器を彩る方法はいくらでもありますが、松田さんの方法は、土の特性である、切ったり貼ったりくっつけたりという土の可塑性を活かした器作りです。

これを聴いて、かつて取材したある女性作家のことを思い出しました。

その人は焼成で土を焼き切ったときにできる土のヒビ、崩壊といったもので造形を導き出し、大地に転がるひび割れた崩壊寸前の甕のような作品を作り出していました。

松田さんの造形は、その逆。くっつけて再生する造形です。今の日本には、「再生」が安らぎますね。

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▲松田路子、角皿。2625円。お手頃価格だったのにもびっくりでした

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松田さんの後ろに写っている花器も、手で引きちぎってつなぎ合わせたものだそうです。

大胆な松田さんの発言。「本当は穴とか開けたいのですが、お水がもれちゃうのも困るんで…」。穴あき花器、案外ステキかもしれませんね。

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カメラを向けると、照れくさそうにした松田さん。これからもきっと、再生のアースカラーの器たちは、進化を続けていくでしょう。

どんな器が作られるのか、またどんな造形作品が生み出されていくのか、いちファンとして、またお会いしたいなあと思いました。

松田路子さんの器は、いずれも茨城県笠間市のギャラリー、「jギャラリー」、「ギャラリー舞台」、「桧佐陶工房(ひさとうこうぼう)」、「きらら館」、「植物工房 四季館」で買うことができます。

また作家本人へコンタクトして購入することも可能です。

松田路子さん連絡先

【住】〒309-1637 茨城県笠間市片庭1734

【tel】0296-72-7364

【E-mail】atelier.momo-tida@ezweb.ne.jp

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